ホームページ制作の見積もりを取ると、同じ要望を伝えたのに会社によって金額が数倍違う、ということが起こります。
この記事では、公開されている相場情報を整理したうえで、なぜその差が生まれるのかと、見積もりを比較するときに何を見ればいいかを説明します。
結論:金額差の大半は「設計にどれだけ時間をかけるか」
先に結論です。制作費の差は、ページ数やデザインの見た目よりも、公開前の設計工程にどれだけ工数を割くかで決まります。
制作費の約4〜5割をディレクションと設計が占めるという指摘もあり(バリューエージェント)、ここを削れば金額は下がります。ただし、削った分は「誰に何を伝えて、どう問い合わせにつなげるか」を考える時間が減るということです。
安い見積もりが悪いわけではありません。何が含まれていないかを理解したうえで選ぶことが重要です。
規模別の費用相場
公開されている情報を整理すると、おおむね次のような幅になります。
| サイト規模 | 費用の目安 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 簡易サイト(数ページ) | 10万円以下〜 | テンプレート利用、会社情報の掲載が中心 |
| 小規模(5〜10ページ前後) | 15万〜150万円 | 事業紹介、問い合わせ導線あり |
| 中規模(30ページ前後) | 30万〜400万円 | 事例・サービス詳細を含む構成 |
| 大規模(50ページ超) | 400万〜1,000万円 | 多階層構成、システム連携を含む |
幅が広いのは、調査元によって前提が違うためです。たとえば小規模サイトでは「15〜65万円」とする情報もあれば(ファーストネットジャパン)、集客型のコーポレートサイトでは「50〜150万円」とする情報もあります(reiro)。
中小企業が制作会社に一式で依頼する場合、80〜150万円程度を目安とする情報が複数あります(bluemonkey)。
ここに挙げた数字は、あくまで各社が公開している目安の整理です。実際の金額は要件によって変わるため、自社の見積もりの妥当性は次章の観点で判断してください。
同じページ数でも金額が変わる5つの要因
1. 設計・ディレクションの深さ
最も差が出る部分です。
- 浅い場合:ヒアリング1回、既存の情報を整理して掲載
- 深い場合:誰に何を伝えるかの整理、競合の確認、問い合わせまでの導線設計、掲載内容の優先順位づけ
後者は工数がかかりますが、「作ったのに問い合わせが来ない」という結果を避けるための工程でもあります。
2. 原稿と写真を誰が用意するか
意外と見落とされる部分です。
原稿を自社で用意するか、取材して書いてもらうかで金額は変わります。写真も同様で、支給するか撮影を依頼するかで差が出ます。
安い見積もりの多くは「原稿・写真は支給」が前提です。用意できないまま進むと、公開が遅れるか、内容の薄いサイトになります。
3. デザインの作り方
テンプレートをベースにするか、ゼロから設計するかの差です。
テンプレートが劣るわけではありません。事業内容によっては、実績のある型に乗せたほうが早く確実です。ただし「他社と似た印象になる」ことは受け入れる必要があります。
4. 公開後に自社で更新できるか
管理画面をつけるかどうかで、初期費用と運用のしやすさが変わります。
更新頻度が低いサイトに高機能な管理画面をつけても、使われずに保守費だけが残ります。逆に、お知らせや事例を頻繁に更新したいのに更新手段がないと、公開直後の状態で止まります。
自社の更新頻度に合わせて決める部分であり、高機能なほど良いわけではありません。
5. SEOをどこまで含むか
「SEO対策込み」と書かれていても、内容は会社によって大きく違います。
- タイトルタグやメタ情報の設定など、技術的な基本設定のみ
- キーワードを調べたうえでのページ構成の設計
- 公開後のコンテンツ制作と改善
3つ目まで含むと、継続的な費用が発生します。見積もりに「SEO」とだけ書かれていたら、どこまでを指すのか必ず確認してください。
地域で商売をしている場合、狙うべきは全国向けのキーワードではなく地名を含む検索です。この考え方は地域の会社が見つけてもらう方法で整理しています。
見積もりを比較するときの確認項目
複数社から見積もりを取ったら、金額の前に次を揃えてください。揃っていない見積もりは比較できません。
- 原稿は誰が書くか(支給/取材して制作)
- 写真は誰が用意するか(支給/撮影)
- ページ数の数え方(下層ページの扱い)
- 公開後の更新手段(管理画面の有無、対象範囲)
- 保守費に何が含まれるか(サーバー、ドメイン、更新代行、障害対応)
- スマートフォン対応の範囲
- SEOとして具体的に何をするか
- 修正の回数制限
- 著作権とデータの所有(解約時にデータを引き取れるか)
最後の項目は特に重要です。制作会社独自のシステムで作られている場合、他社への移管ができないことがあります。
初期費用以外にかかるもの
制作費だけを見て判断すると、後から想定外の支出が出ます。
- サーバー・ドメイン費用:年間で数千円〜数万円
- 保守費:月額で発生することが多い
- 更新作業費:自社で更新できない場合、都度発生
- 改善のための費用:公開後に成果を出すには継続的な調整が必要
特に最後の項目は、多くの見積もりに含まれていません。「作って終わり」で成果が出るサイトはほとんどないため、公開後に使える予算を残しておくことをおすすめします。
注意点:安さの理由を確認する
極端に安い見積もりには理由があります。理由が納得できるものなら問題ありません。
- テンプレート活用で工数を削減している → 合理的
- 原稿・写真がすべて支給前提 → 用意できるなら問題なし
- 初期費用を抑えて長期契約で回収する → 総額を確認する必要あり
- 制作範囲が限定的(数ページのみ) → 要件と合うか確認
問題になるのは、何が含まれていないかを説明されないまま契約するケースです。
まとめ
- 制作費の差は、ページ数よりも設計工程の深さで決まる
- 中小企業のコーポレートサイトは80〜150万円が一つの目安(ただし要件次第)
- 原稿・写真を誰が用意するかで金額は大きく変わる
- 「SEO対策込み」の中身は会社によって別物
- 制作費だけでなく、公開後にかかる費用も含めて判断する
なお、作り直す前に確認すべきことがあります。原因によっては改修で済む場合があるため、問い合わせが来ない7つの理由もあわせてご覧ください。
シクミベースでは、作り直しありきの提案はしません。いまのサイトを活かせる場合は改修から始めます。Web改善・制作についてもあわせてご覧ください。
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